雑穀と世界農業遺産

雑穀と世界農業遺産

お食事は季節を意識することと、地元の食材を使うことを基本にしています。
この地域での滞在が長い方や、前後のご予定に寄って内容を変えることも多いのですが
材料に必ず使うのが”雑穀”

アキレス腱が伸びて気持ちいいような痛いような急な傾斜の畑や、土地の性質や立地を活かして栽培されています。

”にし阿波地域”は、この雑穀を主に耕作する”傾斜地農耕システム”で世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems[GIAHS]:ジアス)に認定されています。

この認証制度自体の目的は次世代への継承。
国際組織に認定されたとしても、特に補助など実質的な財政面でのメリットはなく、地域が今後も自力で産物のブランド化や知名度、観光などに繋げていかなければなりません。

傾斜地農耕システムを支えている人が世界や国内で認められたことを「実感すること」ができなければ、自信や誇り、やる気の回復にはつながらず、ひいては地域の強みにもならず。

カルシウムが豊富なうえ、酸性穀物の幻の雑穀ヤツマタ(シコクビエ)に
蕎麦や粟、小黍、稗、たかきびは、スローフードインターナショナルの「味の箱舟」にも認定されました。アレルギーを起こしにくく、ミネラルや必須アミノ酸が摂れて、カロリーが抑えられるスーパーフードの雑穀
それほど需要がないと言い放ってしまっておしまいにはしたくないのは、そこに人の暮らしがあるからで。

残されるべきもの、引き継がれるべきものとして認定されるのは”システム”
それには知識や慣習を含みます。

生涯現役!と鍬や鎌を振り
「後継者?来たかったら来たらええ、やりたかったらやったらええ。
やりたい人にはなんぼでも教えるでよ。生きとるうちに来ないよ(おいでよ)」と笑う。

雑穀の「雑」 はバラバラにあらず。
「とりどり」という意味もある。
認定に寄与し、今も支える生産者の皆さんの多彩で面白い将来を。

標高の高い急傾斜地は風もよく吹き抜けます。
「指も曲がった、ひざも曲がった、ついでにシワまで曲がってきた」人に生きてるうちに会いに行く人、関わる人が増え、風が吹きますように。


いつかのデザート祖谷蕎麦のガレット

雑穀料理教室は美味しさと横関先生のお人柄でいつも人気
Largoの料理でもお世話になってる「millet(みれっと)」さん
http://millet.shop-pro.jp/