森とドングリ

森とドングリ

うっかりしていたら、1月が終わろうとしています。
昨年はタケノコは少しでしたが、柿や栗、どんぐりは実がよく成る年”なりどし”でした。
家族と、いらした方用のほんのおやつ程度に干している柿も、ずいぶん乾いて綱の間が空きました。

猪の狩猟が進んだせいか、道にはたくさんのどんぐり。
おかげで、どんぐりコマ大会も開催できました。

さて、このどんぐりを預ける”どんぐり銀行”をご存じでしょうか。
四国の水瓶 早明浦ダムの貯水率にもかかわる森林を豊かにするため香川県から始まった取り組みで
現在は高知県大川村に本店を持ち、全国に支店があります。
預けたどんぐりは一個1D(1donnguri)として記帳され、貯まると苗木交換したり、植樹依頼したり、協賛企業で使えるポイント券に交換できます。
銀行に預けられたどんぐりのその後は、苗木に育てられたり、砕石跡地の緑化、幼稚園や小学校などの環境学習に利用されたりするそうです。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【どんぐりの預け方】

①落ちているどんぐりを拾う。
②どんぐりの預け入れ準備をする。
-どんぐりを水に入れ、沈んだものだけを水洗い
-太陽光にあてて乾燥させる
-密閉せずに袋に入れ、袋に数を書く
③出張所に持ち込むか、本店(高知県大川村)に郵送する。

どんぐり銀行本店は大川村です!



※自然に落ちた「新鮮などんぐり」が対象です。
※どんぐりをエサにする動物もいるので、拾いすぎないでね。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

日本の山林は、戦後の復興のために国策として針葉樹の植林が行われました。
針葉樹(杉や桧など)は、広葉樹(どんぐりがなるクヌギや椎など)にくらべ、成長が早く木材資源として有用だとされました。
戦中戦後の燃料不足による伐採や、食糧不足による開墾等により森林は保水力が弱まり、土砂崩れ防止の役割も担いました。
切り出されたこのあたりの木は、材木や炭になり吉野川を下ることで、山の暮らしに富をもたらしました。

その後時代がすすみ、外材の輸入が始まり国産の材木の需要は減り、重労働と収入にならない林業の担い手は減り、間伐されない木が増え、、おまけに花粉までが問題視され…日本の針葉樹林は、悪しき存在かのような印象を持たれ、ふんだりけったりな気がします。

ですが、どうでしょう。コロナ禍で外材が入ってこなくなるwoodショックでは、再び国産材が見直されました。
林業では扱うものが大きいだけに、伐採や搬出のための重機や搬出道が整備されていなければ、即対応はできません。
地道に山を切り開き、馬や牛にひかせた道はとうになくなっています。

小さな国土は空から見ても緑
一朝一夕にはいかない木の山や自然との付き合い方は、国として自立した暮らしが理想だとすると、優先順位をさげずに考えたい分野

深く根を張り保水力に優れた広葉樹からとれるどんぐり
どんぐり銀行の目的は、自然に親しみ森作りに携わる人を増やすこと。
1997年に始まった取り組みは、今年で27年
この頃にどんぐり集めをした子供たちもそろそろ成人
衆知をあつめ、豊かな森が広がりますように。

Largoでは、どんぐり通帳提示により木のメダルをプレゼントしています。