木霊

木霊

徳島県は緑が多い地域ですが、そのなかでもここ三好市は面積の90%が森林。
平成の町村合併により、市と名前がついた時には目の前の山とのギャップを覚えたほど。
自然豊かな土地は全国各地にありますが、三好市の森を基本とした計画が、個人的にとても”いいな”と思えるので紹介させてください。

 

三好市には、森づくり条例という条例が制定されています。
これは、木を育て森を作るだけでなく、土砂災害を防止したり、地球の環境保全、生物多様性の保全の役割を果たす森を通じて、私達の生活に欠くことができない様々な恩恵を守って行こう、さらにこの恵まれた郷土を次の世代に引き継いでいこうというもの。
そして、この条例のビジョンのキャッチフレーズが ”千年のかくれんぼ”
森づくりの構想のプロローグの一部

険峻な地形の多いこの特有な地は、何か隔絶された隠れ場ではない。
山々での伝説や伝承は、むしろ、隠されているわけではなく、
誰もが覗いてみたい神秘的な魅力や懐かしさ、秘めやかさ、優しさ、純真さがある。
その「千年のかくれんぼ」の舞台、ここ三好の森。
そこには、木霊(こだま)がいる。
木霊とは、木々に生きる‘精霊’のこと
木霊とは、山や谷で聞こえる‘やまびこ’のこと。
森に生かされた私たちは、
千年の時を経てもなお、
木霊に守られながら老樹巨樹に畏敬の念を持ち、
自然の木々と語らいながら、多くの精霊(生き物)たちと共に生きてきた。
また、1 本 1 本の木と向きあい、植林、育林、伐採を繰り返し、森の保続を行い、
共に暮らしてきた。
千年の時を超える地域の‘誇り’を、
後世へ編み続ける為に
「千年のかくれんぼ」の森構想を掲げます。

-三好森づくり計画より抜粋-

道路整備がしづらい、産業が育ちづらい、そんなマイナス要因とされがちな山や森
そこに(こだま)を見て
木霊の宿る森づくり
木霊の響く街づくり
木霊の紡ぐ人づくり
を行っていくこの計画は、2029年まで続きます。

原木椎茸の植菌体験

三好市で生まれた赤ちゃんには、三好の木でつくられた木琴が送られます。
その名も”こだま~かずら~”
数種の木が鍵盤になっていて、あえて音階は作っていません。
どうぞ自由に森を感じ、楽しんで

「子どもの声は買ってでも」
そんな田舎のこの土地に、大きな声が響き合いますように。